おおいしだものがたり 第八十話 新たに町登録された文化財について
更新日:2016年3月25日
大石田町教育委員会では、このほど大石田本町地区の建造物3件を町登録文化財として登録しました。この3件の建造物とは、高桑家住宅、草刈家住宅・店舗、戸田家住宅・店舗(写真参照)です。
これらの建造物は、大石田の伝統的な町屋(商屋)造りで、通に面した部分(玄関も含む)に店蔵(みせくら)があり、それに続いて主屋(おもや)、さらにそれに続いて土蔵を配置する造りとなっています。以下、それぞれの文化財について紹介します。
高桑家住宅
明治時代の店蔵、大正時代の主屋、奥に江戸時代と推定される土蔵があり、店蔵の左側に昭和時代の洋館があります。高桑家は、町内では大きな町屋の典型的な姿を、今にとどめています。
草刈家住宅・店舗
江戸時代にさかのぼる可能性のある店蔵と、明治時代の主屋が現存しています。かつては、主屋の奥に土蔵があったことも知られています。草刈家では、店蔵が町内では最も古いと考えられ、貴重な建物です。
戸田家住宅・店舗
大正時代に建てられた店蔵と主屋があります。主屋の後ろに土蔵がありました。戸田家の場合、高桑・草刈両家と異なり、店蔵の向きが主屋と同じ方向になっている「妻入り」の建物である点が特徴的で、大正時代の町屋の姿を、今によくとどめています。
本件文化財を調査された東北芸術工科大学デザイン学科准教授温井亨先生のお話では、「3件の文化財は、ともに大石田の町屋としての姿がよく保たれており、文化財としての価値が高い。また、通りに繋がる『ロウズ』と呼ばれている土間が残されており、店蔵、主屋、土蔵を結んでいる点も貴重」とのことでした。なお、これらの文化財はいずれも町民の方々が居住されていますので、通常は公開していません。
※大石田町の登録文化財制度とは、町が独自に定めている文化財保護制度で、国、県、町指定文化財以外の文化財で、文化財として価値が高い文化財か、町内各地域で特色ある文化財を「登録」することにより、身近な文化財を保護していこうとする制度です。今回の登録を含め、大石田町には登録文化財が35件、また、県と町指定文化財が38件あり、あわせて73件の文化財があります。
お問い合わせ
総務課 総務グループ
〒999-4112 山形県北村山郡大石田町緑町1番地
電話:0237-35-2111 ファックス:0237-35-2118