おおいしだものがたり 第二十七話 北限のイヌザクラの保護について
更新日:2016年3月25日
大石田町指定天然記念物田沢下の川のイヌザクラについては、平成13年6月号で紹介しました。ところが、この天然記念物が最近衰弱の兆候が見られたため、このほど樹勢回復(樹木を元気にする)事業を行うこととなりました。
1.田沢下の川のイヌザクラ(町指定天然記念物)
田沢下の川のイヌザクラ
田沢字上町地内にあり、根周2.78メートル、目通り幹囲1.1メートル、約5メートル上部で側枝を分かち、西側に20度傾斜しており、高さは16メートルに及んでおります。
この桜は、元来暖地に多く、日本海側でのこの緯度における自生はたいへん珍しく、昭和39年6月20日に町指定となっています。
2.イヌザクラの保護経過
この桜は、今から11年前の平成3年頃から樹勢が弱まり、枯れ枝も目に付くようになったので、平成6年から3年間、山形県第1号の樹木医・農学博士大津正英先生の指導を得て樹勢回復事業を展開し、平成9年には、以前の樹勢までほぼ回復することができました。ところが、その後平成12年と13年の夏の猛暑で雨が少なかったため、やっと回復したイヌザクラの樹勢が衰え始め、昨年秋には枯れ枝も見られるようになりました。そこで、昨年10月末に再び大津博士をお招きして、樹勢診断いただいたところです。その結果、やはり樹勢は衰えているとの診断で、その際に樹勢回復の方法をご指導いただいたので、このほど樹勢回復事業を行うこととなりました。
3.樹勢回復事業のあらまし
大津博士からの指導では、まず梅雨に入る前に、根を強くするために植物活力素を、崖の上の方の根に沿って穴をあけ、水と一緒に注入します。次にイヌザクラの日照と枝張りを妨害している樹木を所有者の承諾を見て伐採し、十分な日照と枝張りを確保します。加えて、根元近くの雑草を下刈りし、水分と栄養分を確保することが必要とのことでした。
以上の作業を3年間実施することにより、樹勢回復が図られるとのことですので、現在、この作業を実施すべく準備をすすめているところです。
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