おおいしだものがたり 第一話 雛のまち・大石田
更新日:2016年3月25日
大石田の雛祭りとお供え
現在のひな壇を飾るような壇飾りは、江戸時代の後期に成立したといわれています。ところが、大石田のお雛さまは江戸中期までさかのぼるお雛さまが多いため、現在と違う飾り方をしている例が多くあります。
これは、最初、お内裏さまとお雛さまだけの雛飾りであったものが、次に五人囃子ができ、その後に三人官女ができた関係で、三人官女のない段飾りがこの町の旧家に多く見られます。もちろん、明治以降に三人官女を求められた家もあります。
大石田の雛祭りに際して、お供えする品々には、次のものが見られます。
- 甘酒
- くじら餅(うるち米の粉を練って蒸し上げた餅に、赤と黄、緑の三色の線を引き、その上に一枝の桃の枝を乗せる)
- 生カド(生にしん)
- あさつき(野蒜、酢味噌和えにする)
- 卵(生卵をそのままお供えする場合と、ゆで卵の花形切り、または黄身かけの三通りがある)
- ニラ(卵とじにする)
心の文化としての雛祭り
大石田の雛祭りは、親から子、そして孫へと子供たちの健やかな成長を願う大切な「心の文化」です。そして、江戸時代から続く優しい伝統文化が大石田に今も残されています。このような全国的に見ても優れた心の文化遺産「雛祭り」を大切にし、これからも継承されてゆけば、素晴らしいことではないでしょうか。
(文章 大石田町立歴史民俗資料館)
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